五條東中学校

1.はじめに

本校は昭和37年に創設された、生徒数290名、学級数10の中学校である。
毎年度、3つの小学校の卒業生達が入学し、遠方の者は自転車・路線バスで通学している。
校舎のすぐそばを国道24号線が通っているので、静かな環境とは言い難いが、 生徒たちは明るく学校生活を送っている。

本校の図書室は部屋数の問題があって会議室も兼ねており、部屋の中央に書架を置くことができず、 すべての図書が壁の書架におさめられている。
限られたスペースの活用に頭を悩ませることが多く、 廃棄すべき図書を洗い出そうとしていたときに、学校図書館資源共有ネットワーク推進事業が入った。

これを機会として、古い図書を廃棄し、蔵書内容の清新を図った。

2.活用概要

1)図書室の変容

学校図書館資源共有ネットワーク推進事業により、蔵書がすべてデータベース化され、 パソコンで管理できるようになったため、図書の登録・貸出・返却業務が、 以前に比べて大幅に短縮された。
また、各小中学校と市内公立図書館がネットワークでつながれているので、 容易に蔵書検索が行えるようになった。
生徒たちも、パソコンで図書管理ができるのが楽しいようである。

2)図書室活用の実態
@図書室利用ガイダンスの実施

毎年度、新入生を対象に図書室利用ガイダンスを実施している。 図書室利用の意義や、利用方法について指導している。

A生徒会図書委員会の活動

生徒会活動により、図書室の運営・読書推進に関する活動を行っている。

  • 週一回の図書の貸出・返却
  • 図書の登録、書架の整理
  • 延滞者への督促状の発行 等
五條市東中学校の取組と課題

3.成果と課題

1)成果
  • 生徒がパソコンを使って図書の登録を行えるようになった。
  • パソコンの活用により、貸し出し中の図書の一覧表、 延滞者への督促状が非常に早く作成できるようになった。
  • 告示用黒板へ新入荷図書案内の記入、図書室開放日の給食時放送での呼びかけにより、 読書意欲の向上を図った。
  • 蔵書充実のため、入荷してほしい本のアンケートを行った。 (蔵書条件を満たすものに限る、との制限を設けて行った)
2)課題
  • 「朝の読書」等の時間を取りたいが、本校には遠距離通学生がいるため、 始・終業時間は路線バスのタイムスケジュールに合わせなければならない。
    どのように読書時間を作り出すか、という課題がある。
  • 学校図書館資源共有ネットワークはパソコンによって行われるが、 ある程度パソコンに慣れていないと運用に手間取ることがある。 年度はじめの業務の引き継ぎに関しても、かなり緻密なところまで説明が必要となり、 新任者が運用に慣れるまで時間がかかると思われる。