阿太小学校
事業実施報告書1.はじめに
本校は、自然の恵み豊かな五條市の中でも、特に緑豊かな山々に囲まれ、吉野川の美しい流れが身近である。
このような自然環境の中、小規模校(全校児童90名)の良さも生かし、子どもたちは学年の枠をこえて仲良く学校生活を送っている。
そこで、このような特色を生かし、ふるさとの自然に目を向け、地域の方々やボランテイア講師等から学ぶことを通して、自分で課題を見つけ、
自ら学び、課題を解決していこうとする子を育てる取り組みを進めてきた。
しかし、児童一人ひとりの基礎学力や生活習慣実態調査の結果を見ると、読書活動に関して個人差が大きいことが明らかになった。
読書が好きな子は多いが、1日の読書時間は個人差が大きく、課題となっている。
2.読書活動推進のための取り組み
- @ 全校一斉の読書活動について
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- 毎週金曜日(8:30〜8:40)始業前の10分間、全校一斉読書を行っている。
- 週1時間を学級の図書室利用の時間として位置づけ、特に低学年は、この時間を利用して図書の貸し出し・返却を行っている。
- 国語科の取り組みとして、絵本の読み聞かせを通して保育所と交流を図っている。(低学年「お話宅急便」)
- 学習時間や遊放時などに読書をしたページ数を「毎日読書」(低学年)、「読書貯金」(高学年)というカードに記録し、意欲を高めている。
- A 図書委員会活動の活性化
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- 月曜日から金曜日の業間休み・昼休みに図書館を開放して、コンピュータを使って本の貸し出しを行っている。
- 「お話配達」「お話ワールド」という時間を設定し、学期に1回ずつ大型絵本や紙芝居を読み聞かせする活動を行っている。 本の選定や朝会での呼びかけも児童が行っている。
- 「夏休み読書カレンダー」「冬休み読書カレンダー」を作成し、長期の休み中の読書の充実に役立てている
- 「七夕集会」で七夕にまつわる劇やクイズを企画し、しおりを全校児童にプレゼントした。
- 秋の読書週間には、「読書の木」の取り組みを行っている。児童が木の葉型のカードにおすすめの本の題名を書き、その葉っぱがどんどん増えるように呼びかけた。
- コンピュータで多読者を調べ、手作りの賞状を作成し、朝会などで表彰を行った
- B 環境整備
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- 図書の購入を年2回に分けて行い、児童のリクエスト本や話題性のある本を購入している。
- 新しい本の紹介コーナーを設定し、本に対する関心を高めるようにした。
3.図書館支援員の活動について
- @ 学校図書館の運営に向けた支援
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- 毎週金曜日、4時間(10時〜14時)の支援を行った。
- 学級の図書室利用の時間に図書の選定のアドバイスや貸し出し・返却を行った。
- 「総合的な学習の時間」や国語科・生活科等では、テーマに沿った図書の選定のアドバイスを行った。
- 図書の分類表示、蔵書点検、本と書架の並び替え、蔵書の修理など図書管理を随時行った。
- A 図書委員会活動の活性化につながる支援
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- 金曜日の業間休み・昼休みに本の貸し出し等のサポートを行った。
- 「お話配達」「お話ワールド」の読み聞かせ練習のサポートを行った。
- 「夏休み読書カレンダー」「冬休み読書カレンダー」を掲示し、コメントを書いた。
- 「七夕集会」では七夕にまつわる語り聞かせを行った。
- 秋の読書週間には、「おすすめの本」を紹介し「読書の木」の準備を行った。
- B 学校図書館の環境整備に向けた支援
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- 季節感あふれる掲示物を作成し、図書館前の掲示板を飾った。
- 図書館内の掲示板には、毎月心に残る詩を紹介した。
- 新しい本の紹介コーナーやテーマ別の紹介コーナーを設定し、本に対する関心を高めた。
- C 学校図書館間の連携に向けた支援
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- 五條市の図書館ネットワークの取り組みの一つである「物語定期便」の受け入れ処理を行い、貸し出しなどを行った。
- 「総合的な学習の時間」や国語の教材に関わる図書の選定を五條市立図書館と連携して、そろえていった。
4.成果と課題
各校に司書教諭が配置され、学校図書館を活用した教育活動や読書活動の中心的役割を担うことが求められている。 ところが、学級担任としての仕事や校務分掌の配分などから、司書教諭としての業務に専念できないのが現状である。 実際には、図書の選定・収集・装備や装丁の修理、図書の管理、図書委員会の指導で精一杯である。
こうした中で、学校図書館支援員に、図書館の運営に関する支援を行って頂いたことは、子どもたちの読書活動の推進におおいに役立った。
子どもたちが読書に親しむ機会の提供と環境の整備が進められたことは、大きな成果であった。
また、絵本の読み聞かせ(低学年)やブックトーク(高学年)などを行ってもらったことで、教師の研修にもなった。
一方、週一回の限られた時間内の活動なので、司書教諭と支援員との連携が取りづらい場合が多い。
そこで『図書室連絡ノート』を作成し、支援してほしい内容や子どもたちの様子などをつづっていったが、
それによってお互いのコミュニケーションがスムーズに図れるようになった。
課題としては、支援日を増やし、より一層読書活動の推進を図れたらと思う。