陀々堂の鬼はしり(国指定重要無形民俗文化財)

坂合部郷のまつりから大和五條の火祭りへ

 仏様に対して一年間の罪を告白してつぐない、新しい年の幸福を祈る仏教の儀式を「修正会(しゅしょうえ)」や「修二会(しゅにえ)」と言います。東大寺二月堂のお水取りや薬師寺の花会式が有名ですが、「陀々堂の鬼はしり」もこれに加えることができます。薬師寺や長谷寺の修二会では、最終日に悪い鬼が登場しこれを追い払って儀式を終えます。「陀々堂の鬼はしり」でも、3匹の鬼が現れるところがクライマックスですが、ここでは阿弥陀如来に仕え災いを除き福をもたらす善い鬼とされているところがとてもユニークです。1995年(平成7年)には、国の重要無形民俗文化財に指定されました。
 現在は、念仏寺陀々堂鬼走り保存会によって継承されています。

子ども鬼はしり

 毎年、1月14日、午後4時からは昼の鬼走り(松明は無点火)、そしていよいよ午後9時からは松明のともされた鬼走りが行われます。実は、これらの鬼走りと共に、「子ども鬼はしり」が、昼の部のあと行われています。鬼はしりの儀式には、差配(さはい)・火天(かって)・赤鬼(父鬼)・青鬼(母鬼)・茶鬼(子鬼)・佐(すけ)、水天(かわせ)・棒打(ぼうだ)・法螺貝(ほらがい)・太鼓(たいこ)・鉦(かね)などの分担があります。阪合部小学校の有志の子どもたちも、全く同様の役割を演じ、地域の伝統文化の後継者として期待されています。


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